1.1.1 UNIX 編

ディレクトリと階層構造

UNIX では、ファイルと、ファイルをまとめるディレクトリ ( Windows ではフォルダともいう ) が存在します。 そして、それらは階層構造をしています。UNIX では、 一番上の階層は / ( スラッシュ ) であらわされ、 ルートと呼ばれます。/ にファイルやフォルダが存在する形で、階層構造をなします。 お使いの UNIX のデスクトップ環境にあるであろうファイルエクスプローラのような ものでディレクトリを次々に開いてたどっていってもわかるかと思います。

表記法

では、ある特定のディレクトリを表記するにはどうすればよいでしょうか ? インターネットなどをしていれば、URL ( おもに http: ではじまるアドレス ) が / で区切られていることはわかるのではないでしょうか。 これが、ディレクトリの階層構造をあらわしています。 ここでディレクトリの区切りには / がもちいられています。 UNIX でもインターネットアドレスと同じ / をもちいます。日本語 Windows では \ が使用されています。 UNIX なら、自分のホームディレクトリ ( 自分が自由に使用してもよいディレクトリ、また、ログイン時のディレクトリ ) に、public_html というディレクトリがあり、そこにさらに Emacs というディレクトリがあり、その中に index.html があるなら、 ~/public_html/Emacs/index.html で表記します。ここで、~ ( チルダ ) は、ホームディレクトリを表します。~ の表記は Windows にはありません。 ~ は、最近の OS なら、/home/ログイン名 を、 あるいは /usr/people/ログイン名 をさすことになります。

シェルを使う

UNIX では、シェルを使うことはすべての基本です。 シェルを使えなくては UNIX の操作は非常に限られたものになります。 ここでは、シェルの基本的な操作について扱います。

お使いの OS によってシェルの起動方法は異なります。 マニュアルなどを参照してシェルを起動してみてください。 「ターミナルを起動する」のような表現かもしれません。 あるいははじめから起動しているかもしれません。 開いたウインドウには、 1% ~$ のように表示されていないでしょうか ? これは使用しているシェルの種類に依存します。 csh や tcsh なら % が、bash などでは $ がプロンプトとして使用されています。 プロンプトは、そこにコマンドの入力を促していることを示します。 なお、プロンプトに表示される文字列は、設定によっても変わります。 ここでは、カレントディレクトリ (現在作業中のディレクトリ) をあらわす文字列としておきます。xここで ls コマンドを使うと、 カレントディレクトリにあるファイル一覧が表示されます ( I.E. では以下の表示はただしくありません。 ls コマンドを実行して確かめてください。ls とタイプして enter を押します )。 以下は / で ls コマンドを実行した例です。 実際にはもっと多くのファイルやフォルダがあるでしょう。 /$ls bin home lib tmp var etc include sbin usr 次に、ほかのディレクトリに移動してみます。これには、 ~$cd 移動先 のように、cd コマンドに移動先を引数として指定します。 例えば、/home ディレクトリに移動するには次のコマンド実行します。
~$cd /home また、一つ上の階層 ( 親ディレクトリという ) に移動する場合は .. を指定します。 /home から / に移動するには、 /home$cd .. とします。

相対パスと絶対パス

ディレクトリは 2 とおりの方法で表現できます。 ひとつはカレントディレクトリを基準として表現する方法で、 これを相対パスといいます。一方 / で始まる表記を絶対パスをいいます。 たとえば、/home/user0/public_html/ がカレントディレクトリである場合に、 ../test.txt は、/home/user0/ ディレクトリにある test.txt というファイルをあらわすことになります。同様に、/home/ をカレントディレクトリとした場合、user0/public_html は、 /home/user0/public_html/ を指し示すことになります。

0. はじめに     1. 予備/UNIX 基礎     With Emacs     2. 初心者編

[ Last modified: Tue Jan 01 17:37:29 2002 ]