Mac OS X で Emacs 21 をセットアップすると、OS ネイティブなことえり による日本語入力ができないことがわかると思います。 そこで、FreeWnn を Mac OS X にインストールし、「Tamago」という Emacs Lisp パッケージにより、 Emacs 上で日本語入力できるようにする方法を試してみました。
なお、この手順では、Emacs のビルド同様プログラムのコンパイルといった 操作が必要です。
まずはかな漢字変換サーバである FreeWnn をセットアップします。 FreeWnn Project のサイトからソースを取得し、ビルド〜インストールを行います。
FreeWnn のソースは FreeWnn が入手できるサイト を参考に接続しやすいサーバから入手してください。 FreeWnn-1.10.tar.gz と patch-1.1.0-a01.gz をダウンロードします。 前者が FreeWnn のメインプログラムで、後者がこの修正パッチです。
ダウンロードが完了すれば、適当なディレクトリで 2 つのファイルを解凍します。 さらにパッチ (修正プログラム) を適用します。
このままビルドといきたいところですが、修正が必要です。 Xsi/configure をエディタで開き、700 行目付近の case $hosttype in というところに以下を追加します。追加できれば保存します。
FreeWnn サーバを動作させる時のユーザを追加します。 ユーティリティアプリケーションの 「Netinfo Manager」を起動します。 変更するために、鍵をクリックして、管理者のパスワードを入力します。
users を選択し、ツールバーの「新規」をクリックします。 作成された new_directory を選択し、プロパティ name の値を wnn とします。 加えて、shell と uid を追加し、それぞれ値を /usr/bin/false、127 とします。 項目を追加するにはプロパティの表示部分で「新規」を押します。
ユーザの追加ができれば、FreeWnn をコンパイルします。 Xsi ディレクトリで以下のコマンドを実行します。 インストールは /usr/local 以下にされます。サーバ起動プログラムは /usr/local/bin/Wnn4/jserver です。
FreeWnn サーバがインストールできれば、今度は Emacs から仮名漢字変換サーバを 使用するための Tamago をセットアップします。Tamago については、 Tamago Project を参照してください。
以下のようにして Emacs で tamago をコンパイルします。Emacs が /usr/local/bin にインストールされている場合であれば PATH に /usr/local/bin を追加します。
インストールすると、Emacs インストール先の site-lisp 以下に tamago がインストールされます。 これで、Emacs を起動すると tamago が自動的に読み込まれるようになります。
FreeWnn と Tamago がインストールできれば後は簡単です。 サーバを起動するために、以下のコマンドを実行してください。
Emacs を起動して、C-\ (Ctrl キーとバックスラッシュを同時にタイプ) すると、日本語入力できます。ローマ字入力を行い、 スペースをタイプするとサーバに接続され、漢字変換ができます。 初めて使用したときは辞書の生成確認メッセージがミニバッファに 表示されたかもしれませんが、全部 y と答えます。
日本語入力モードでは、下のようにモードラインに「あ」と表示されます。 英数字を入力する場合は、再度 Ctrl-\ を入力します。Ctrl-\ により、 日本語入力モードと切り替えがおこなわれるわけです。
ためしに、Wnn の由来である 「わたしのなまえはなかのです」と入力し、 変換をして見ます。余談ですが、Wnn という名前はこのフレーズが一発で 変換できることからついたそうです。
なお、サーバが起動していない場合などは、下のように変換しようとしたときに エラーが表示されます。サーバを起動して再度変換をおこなってください。